ステントグラフト内挿術における合併症の予防と治療:逆行性A型大動脈解離

DOI
  • 内田 敬二
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 安田 章沢
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 長 知樹
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 小林 由幸
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 松本 淳
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 森 佳織
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 池松 真人
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 原田 祐輔
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 町田 大輔
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 鈴木 伸一
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科

書誌事項

タイトル別名
  • Prevention and Treatment for Complications of/due to Stent-graft Repairs/Treatments: Retrograde Type A Aortic Dissection

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抄録

<p>ステントグラフト内挿術に伴うRTAD(retrograde type A aortic dissection)とは大動脈弓部,下行大動脈に挿入したステントグラフトによる内膜損傷が発生し,新たな解離が逆行性に上行大動脈に及んだ状態である.TEVARの適応が拡大している現在,発生頻度は1–2%と低いものの,その死亡率は30–40%と高く,重要な問題となっている.ステントグラフト中枢側のベアステントの存在,オーバーサイズ,タッチアップバルーン拡張,留置部小弯側のbird beak現象,zone 2またはより近位への留置などがその発生の危険因子とされている.RTADの治療としては,留置されているステントグラフトをfrozen elephant trunkとして利用する上行弓部大動脈人工血管置換が必要となる.TEVARにおいて,各種デバイスの特徴を熟知し,適切な留置法に習熟し,さらに長期的に経過観察を続けることが,治療成績向上のために重要である.</p>

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