序文

DOI

抄録

<p> TURBTは, 我々に広くなじんできた術式である. 特徴として, 1) 泌尿器科特有の手術様式であり, 2) 個人で完結できることから, 多くの施設において, 3) 泌尿器科手術の中ではトップクラスの手術件数を占める. 4) 若手泌尿器科医が早い段階で習得を求められる内視鏡手術の一つである一方で, 5) 症例毎の難易度にかなりの幅がある. 6) 指導指針が確立されていない, 7) 自己流での技術習得がなされ, 客観的な評価が困難であるという特徴も有している.</p><p> 本特集は, この日常的でありながらも甚深な術式であるTURBTを, 「初心にかえって, 徹底検証する」ために企画された. 早川望先生には, 独自に作成したTURBT評価票を用いた, レジデント教育の質の向上の可能性を示して頂いた. 自己評価のみならず他己評価を行うことの重要性が改めて認識された. 池田篤史先生には, 筑波大学付属病院泌尿器科と産業技術総合研究所人工知能研究センターの共同研究として進められている人工知能を利用した膀胱内視鏡検査支援システムについて紹介頂いた. AIを用いることで, TURBTの普遍的な質の向上が今後期待される. 西山慎吾先生には, 症例提示を交えながら, 合併症を回避するTURBTの極意を余すところなく解説頂いた. 安全なTURBTをとことん追求する努力を今後も維持していくという姿勢に賛同する. 最後に上平修先生より, TURBTの誕生, 機器・手技の改良の歴史, そして共焦点レーザー内視鏡や光コヒーレンス断層造影などを活用した診断技術向上への試みとその将来展望につき, 図を交え分かりやすく概説頂いた.</p><p> 「たかがTURBT, されどTURBT.」TURBTにおける技術向上・指導体制の在り方を, 熱く議論していくための参考に本特集がお役に立てればこれ幸いである.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390291932623116800
  • DOI
    10.11302/jserjje.35.1_29
  • ISSN
    2436875X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

問題の指摘

ページトップへ