二期的根治術を行った虫垂原発神経内分泌細胞癌穿孔の1例

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タイトル別名
  • Two-stage Curative Surgery in a Case of Perforation of the Appendix by Primary Neuroendocrine Cell Carcinoma
  • ニキテキ コンジジュツ オ オコナッタ チュウスイ ゲンパツ シンケイ ナイブンピ サイボウガン センコウ ノ 1レイ

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抄録

<p>症例は76歳の女性で,腹部全体の痛み・下痢・発熱を主訴に近医を受診し,精査加療目的で当院へ紹介となった.画像診断から虫垂穿孔による汎発性腹膜炎と診断し,緊急で腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.病理診断は虫垂内分泌細胞癌であった.術後画像検査で明らかなリンパ節転移や遠隔転移がないことが確認されたため,審査腹腔鏡で腹腔内観察後に根治術を行う方針とした.再手術所見では,腹腔内に明らかな播種結節を認めず,回盲部切除術D3郭清を施行した.摘出検体に癌遺残はなく,リンパ節転移は認めなかった.</p><p>虫垂原発の神経内分泌細胞癌は非常にまれで,急速な発育と高率な脈管侵襲や転移をきたす予後不良な病変である.本症例のように厳重に経過を見ていく必要があるものの,根治術が期待できる可能性のある症例も存在することから,虫垂穿孔例においても機を逸することなく二期的な根治術を考慮することも選択肢の一つとして考えられた.</p>

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