臓器移植コーディネーターと組織移植コーディネーターの連携体制の構築について―膵島移植コーディネーションから考えるー
抄録
<p>「重症低血糖発作を伴うインスリン依存性糖尿病に対する脳死又は心停止ドナーからの膵島移植」として先進医療Bで実施してきた膵島移植は、2020年4月に保険収載となった。先進医療Bの間には22例のドナーから膵島提供、17例の膵島移植が実施され、保険収載後はCOVID-19感染拡大による臓器提供数の減少の懸念にも関わらず、提供施設等の懸命な尽力により膵島提供についての情報は日本膵・膵島移植研究会事務局で定期的に受信しており、保険診療として臨床膵島移植再開後、1例の膵島移植が実施されている。</p><p>実際、膵島移植で提供されるのは膵臓であり、手術時間・手術創も臓器提供と変わらないが、膵島移植は組織移植の範疇のため、ドナー家族には臓器提供とは別に組織提供のための説明と同意(以下、IC)が必要で、提供施設に対しては施設毎に組織提供のための施設使用許可取得が必須となる。また現時点で腹部臓器提供が行われる際にのみ膵島提供が可能であり、対応する膵島移植Co.(以下、組織Co.)は、日本臓器移植ネットワーク・都道府県Co.(以下、臓器Co.)と可能な限り初動から同じタイミングでコーディネーションを行う事が重要である。膵島提供コーディネーションの症例対応を重ねる中で、情報受信の早期化、臓器提供IC時の組織提供の提示等、臓器Co.・組織Co.間の連携構築が徐々に進んでおり、これまでの取り組みと今後の課題を検討する。</p>
収録刊行物
-
- 移植
-
移植 56 (Supplement), s343-s343, 2021
一般社団法人 日本移植学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390292029970563968
-
- ISSN
- 21880034
- 05787947
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可