肝臓虚血再灌流に対するCD321抗体投与の有用性
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抄録
<p>【背景】肝移植における虚血再灌流障害(IRI)は患者予後に大きく関連する。炎症細胞の肝組織浸潤が複雑に関与し,有効な治療法は存在しない。【方法】マウスIRIモデルを作成した。虚血再灌流後、肝組織に浸潤する炎症細胞について、肝組織切片、血清中の肝逸脱酵素(GOT, GPT)を解析した。【結果】再灌流後、肝組織内に多数の好中球浸潤を認めた(Fig.A)。anti-Gr1-モノクローナル抗体(mab)により好中球を除去したところ、肝逸脱酵素の減少を認めた(Fig.B)。好中球の炎症組織への遊走に関連するCD321分子を解析したところ、虚血後1時間、さらに再灌流後45分間、肝類洞内皮細胞に高発現していた(Fig.C)。抗CD321mab (90G4)を再灌流直後に門脈内注射したところ、肝組織障害や肝逸脱酵素の減少を認めた(Fig. D)。【結語】抗CD321mabは肝IRIの治療法となる可能性がある。</p>
収録刊行物
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- 移植
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移植 56 (Supplement), s119-s120, 2021
一般社団法人 日本移植学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390292029973697664
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- ISSN
- 21880034
- 05787947
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可