ゲノム・分子病態解析で見えてくる心不全精密医療の新しい世界

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Abstract

<p>精密医療(Precision Medicine)の重要性を提唱されて久しいが、循環器領域でもこれまで予後層別化を目指した様々な研究がなされてきた。本邦では特に心移植ドナーが少なく、移植待機期間が諸外国と比較して圧倒的に長いことから、我々はこれまで心移植の必要性を早期に予見するための心不全患者の予後予測研究を進めてきた。</p><p>本邦における心移植の原因疾患の圧倒的多くを占める心筋症はゲノム変異が大きく影響する疾患だが、我々はこれまで変異遺伝子の種類に応じた予後や疾患像の違いを明らかにしてきた。また、同じ種類の心筋症であっても、患者によって治療効果や臨床経過が大きく異なることが知られているが、我々は心生検や移植時に得られる心臓組織を用いて、シングルセル解析や免疫染色画像の自動解析といった新しい解析手法により、早期に予後を予測するための知見を報告してきた。</p><p>本発表ではこれまで我々が取り組んできた研究内容を紹介しつつ、今後のPrecision Medicine研究の方向性について議論をしていきたい。</p>

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