心臓移植後の拒絶スクリーニングにおける心筋生検の有用性と限界

説明

<p>心臓移植後の定期的な心筋生検によるフォローアップは、細胞性拒絶を早期に検出する最も確立したスクリーニング法として位置づけられている。また抗体関連拒絶の診断においても、心筋組織の病理学的・免疫学的変化は重要な所見である。しかし、心筋生検では有意な拒絶反応の所見を検出できないにもかかわらず臨床的に拒絶と判断される例はしばしば経験され、抗体関連拒絶のみならず細胞性拒絶の診断においても心筋生検による診断精度には限界がある事が示唆される。さらには、侵襲的検査である心筋生検を繰り返すことに伴う合併症のリスクも無視することはできない。そうした中、治療が必要な拒絶反応を見逃さないために、心筋生検に代わる新たなスクリーニング法が探索されている。現在有望な方法の一つとして、海外では血中に存在するドナー由来のcell-free DNAを測定することでグラフト障害を検出する方法が報告されている。また我々は、画像診断を用いて拒絶反応を検出できる可能性についても検証している。心筋生検の限界を補う新たな拒絶反応診断方法の現状と今後の展望について考察する。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 56 (Supplement), s109-s109, 2021

    一般社団法人 日本移植学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292029979866880
  • DOI
    10.11386/jst.56.supplement_s109
  • ISSN
    21880034
    05787947
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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