対策型胃がん検診のゲートウェイとしての胃がんリスク層別化検査の有用性と限界

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Benefits and limitations of gastric cancer risk screening as a gateway to population-based gastric cancer screening

この論文をさがす

抄録

<p>【背景】対策型胃がん検診において,上部消化管内視鏡検査は2014年改訂版ガイドラインで認められ,2016年の厚労省指針に明記された。しかし,受診率,マンパワー不足,費用の問題が指摘されている。</p><p>【対象と方法】1994年度から26年間の横須賀市の胃がんに関する検診の結果を検討した。</p><p>【結果】受診率は上部消化管X線検査の頃は6%前後であったが,ペプシノーゲン検査と選択制にして12%前後に上昇し,その後16%を超えた。胃がんリスク層別化検査(以降胃がんリスク検診)でも同等であった。その後8年間で43.0%が受診した。平均の胃がん発見率は0.48%,陽性反応的中率は1.4%であった。胃がんリスク検診で集約して内視鏡検査を行うと3倍近く効率的に検査が行える。一方,除菌後経過観察中に胃がんは45例発見され,発見までの期間は平均3年2ヶ月であった。13例が進行胃がんであった。保険診療に移行後も経過観察と集約したデータ管理が必要であった。</p><p>【結語】横須賀市の胃がんに関する検診のデータから,胃がんリスク検診が対策型検診のゲートウェイとして機能することを示した。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ