広東語の「變音」をめぐる形態要因と構造分析

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タイトル別名
  • The Morphology of Cantonese “Changed Tone”: Extensions and Limitations
  • ――その領域拡大と限界点について――

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抄録

<p>広東語には,語がもともと持ついくつかの音調のタイプが,ある種の派生環境において高音調HHまたは上昇調MHに中和されるという現象がある。これは形態要因による過程であり,「變音」(changed tone)と呼ばれる。この論文では「變音」をめぐる形態現象について包括的な分析を展開し,この音調変化の現象が個別言語的な要因と普遍的な音韻制約のもとで「音調接辞の付加」により実現されることを示す。特に,この基本的な分析が「變音」を持つ形態統語上の構文(しかも先行研究での分析では十分な説明が与えられていなかったもの)にも広範に当てはまることを立証する。さらには,この基本的分析が未開拓の様々な構文に対してどの領域まで拡大でき,どの領域に限界点があるのかを調査することにより,この研究が理論的分析だけでなく経験的検証にも資するものであることを示す。</p>

収録刊行物

  • 言語研究

    言語研究 161 (0), 139-169, 2022

    日本言語学会

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