外傷性半奇静脈損傷の1例

DOI
  • 池松 真人
    横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター外科
  • 川村 祐介
    横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 坂口 裕介
    横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 加藤 真
    横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 岩下 眞之
    横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター
  • 竹内 一郎
    横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センター

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of Traumatic Hemiazygos Vein Injury

この論文をさがす

抄録

<p>鈍的胸部外傷では稀に大血管損傷を伴うことがあり,しばしば致死的経過をたどる.なかでも半奇静脈損傷は稀でその治療戦略については明らかではない.今回,鈍的胸部外傷による半奇静脈損傷に対しダメージコントロール手術(Damage control surgery; DCS)で救命した症例を経験した.症例は49歳男性でバイク運転中に転倒し救急搬送された.左胸腔内出血によるショックと判断し初療室で緊急開胸を行った.胸腔内ガーゼパッキングを行い循環動態を安定させ手術室へ移動すると半奇静脈損傷を認めた.半奇静脈を結紮し止血を得たが胸壁および肺実質からの静脈性出血持続があり,再度ガーゼパッキングを行いDCSの方針とした.ICUで体温・凝固障害の是正を行い,6時間後に閉胸術を施行し術後10日目に抜管した.その後合併症なく術後17日目にリハビリ転院した.来院時ショックの鈍的胸部外傷ではDCSが有効な症例があり,左血胸を伴う場合には半奇静脈損傷を鑑別にあげる必要がある.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ