小規模下水処理場への導入を想定した下水二次処理水に残存するアンモニア性窒素の生物反応槽後担体硝化処理特性

DOI
  • 厚朴 大祐
    国立研究開発法人土木研究所 水環境研究グループ水質チーム
  • 對馬 育夫
    国立研究開発法人土木研究所 水環境研究グループ水質チーム
  • 北村 友一
    国立研究開発法人土木研究所 水環境研究グループ水質チーム
  • 山下 洋正
    国立研究開発法人土木研究所 水環境研究グループ水質チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Performance of a post-nitrification process with carriers for residual ammonia nitrogen removal in secondary effluent, aimed at small-scale wastewater treatment plants

抄録

<p> アンモニアの水生生物影響の観点から,下水処理水のアンモニア性窒素の濃度低減について今後議論される可能性がある。アンモニア性窒素濃度の目標値が低く設定された場合,多くの下水処理場で低減対策が必要となる可能性がある。本研究では,特に小規模下水処理場における対策を想定して,下水二次処理水中アンモニア性窒素について微生物保持担体とアンモニアセンサーを用いて,異なる担体流動性保持方法におけるアンモニア性窒素処理性能を比較した。実下水の硝化抑制二次処理水をパイロットプラントで連続処理して,担体流動性保持を曝気撹拌および機械撹拌で行った実験における,アンモニア性窒素平均除去率はそれぞれ,95%,93%,反応槽容積当たりの硝化速度はそれぞれ,1.5-7.5(平均4.0)mg-N/(L・h),2.5-8.3(平均4.9)mg-N/(L・h),硝化窒素量当たりの平均曝気量はそれぞれ,0.80m3/g-N,0.60m3/g-Nとなった。担体流動性保持を曝気撹拌で行った場合に比べて,機械撹拌で行った方が硝化窒素量当たりの曝気量を25%程度削減できることを確認した。本研究における下水二次処理水中アンモニア性窒素濃度範囲においては,担体流動性保持は機械撹拌で行った方が,より効率的にアンモニア性窒素を除去できることが示唆された。担体に硝化細菌が高い割合で存在していることが次世代シーケンサーの菌叢解析で確認された。本装置の必要反応槽容積は嫌気好気ろ床法採用の小規模下水処理場における反応槽容積の12%程度となることが示唆された。</p>

収録刊行物

  • 下水道協会誌

    下水道協会誌 59 (716), 106-114, 2022-06-01

    公益社団法人 日本下水道協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292251345873792
  • DOI
    10.24748/jswa.59.716_106
  • ISSN
    24342475
    00214639
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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