ポリスチレンスルホン酸カルシウム内服中の血液透析患者に発症したS状結腸穿孔の2例

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タイトル別名
  • Two Chronic Kidney Disease Patients Under Maintenance Dialysis with Calcium Polystyrene Sulfonate-induced Sigmoid Colon Perforation.
  • ポリスチレンスルホンサン カルシウム ナイフク チュウ ノ ケツエキ トウセキ カンジャ ニ ハッショウ シタ Sジョウ ケッチョウ センコウ ノ 2レイ

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抄録

<p>ポリスチレンスルホン酸カルシウム(calcium polystyrene sulfonate:以下,CPS)は陽イオン交換樹脂であり高カリウム血症の治療に用いられる。重大な副作用に腸管穿孔があり使用に注意が必要である。症例1は88歳女性,下腹部痛で前医を受診し,S状結腸穿孔,汎発性腹膜炎と診断された。緊急手術目的に当院に転院搬送された。当院で単孔式人工肛門造設術(Hartmann術)を施行した。病理組織学的所見で穿孔部に壁全層性の壊死を認め,同部位にCPSと思われる好塩基性物質の沈着を認めた。敗血症性ショックの改善なく術後7日目に死亡した。症例2は76歳男性,腹痛で来院し,S状結腸憩室穿孔の診断でHartmann術を施行した。病理組織学的所見では穿孔部と周囲の憩室の一部にCPSと思われる好塩基性の結晶が認められた。術後経過は良好であり,第60病日に退院した。今回われわれはCPS内服中にS状結腸穿孔を起こした2例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。</p>

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