慢性GVHD治療の新展開

  • 稲本 賢弘
    国立がん研究センター中央病院 造血幹細胞移植科

書誌事項

タイトル別名
  • Evolving treatment strategies for chronic graft-versus-host disease
  • マンセイ GVHD チリョウ ノ シン テンカイ

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抄録

<p>慢性GVHD治療の進歩に最も貢献したのはNIH国際コンセンサス会議と考えられる。20年前は客観的な評価法や適切なエンドポイントが明確に定義されていないことが,分野の進歩と新薬開発の障壁であった。2005年にNIH国際コンセンサス基準が定義され,2014年の改定を経て研究の質が大幅に向上し,客観的な治療効果判定法や,薬剤承認を目標にした臨床試験のエンドポイントとデザインが明確になった。さらにこの10年間で慢性GVHDの病態機序に関する基礎研究の進歩も著しく,多くの治療標的が同定され,治験が行われている。米国では既にibrutinib,belumosudil,ruxolitinibが慢性GVHD治療薬承認を取得した。2020年には3回目のNIH国際コンセンサス会議が行われ,急速に進歩する一方で混沌としつつある知識を整理し,この先5年間に行うべき基礎・臨床研究のロードマップが提案された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 63 (5), 433-439, 2022

    一般社団法人 日本血液学会

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