体内に埋め込まれたPTFE 製及びPP 製の手術用メッシュに対するラットの結合組織の局所反応の差異

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タイトル別名
  • Different local responses of rat connective tissue to PTFE and PP surgical meshes implanted in the body

抄録

<p>目的:2021 年現在、日本では、一種類のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製メッシュと二種類のポリプロピレン(PP)製メッシュが骨盤底再建手術に使用されている。これらの製品の埋植に対する局所反応を比較するために本実験を計画した。</p><p>対象と方法:6 匹の13 週齢 Slc:SD 雌ラットの側頭筋靭帯に接して3 種類のメッシュの小片を埋植し、2 週間飼育してから組織を取り出して病理学標本を作成した。標本の詳細を知らされていない観察者が、炎症細胞と結合組織の応答に関する9 つの評価項目について光学顕微鏡による評価を行った。 結果:標本採取時、PTFE メッシュは容易に周囲組織から剥離されたが、PP メッシュはかたく固着していた。炎症細胞の応答を評価する5 つの項目のうち3 つにおいて、PTFE メッシュのスコアはPP メッシュよりも有意に低かった(マンホイットニーのU 検定、p 値<0.05)。炎症に起因する結合組織の変化を評価する4 つの項目のうち 2 つはPP メッシュに限って観察された。全体で、PTFE メッシュのスコアは9 つの評価項目のうち7 つでPP メッシュよりも低かった。</p><p>結論:力学的ストレスにさらされる部位への埋植で、PTFE メッシュによるラットの局所反応はPP メッシュと比較して軽く穏やかである。ヒトにおいても、骨盤底再建手術にPTFE メッシュを使用することによって、PP メッシュで経験された強い瘢痕化やメッシュ露出が減る可能性がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292350991809280
  • DOI
    10.32310/jfpfm.18.1_72
  • ISSN
    24348996
    21875669
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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