自己免疫性胃炎の組織診断と組織学的時相分類:新提案

DOI
  • 渡辺 英伸
    ピーシーエルジャパン病理・細胞診センター

書誌事項

タイトル別名
  • Histological diagnosis and stages of autoimmune gastritis - a new proposal

抄録

<p>自己免疫性胃炎AIGの組織診断には,壁細胞傷害とその程度,ECL細胞過形成,胃底腺消失後の頸粘液細胞・幽門腺細胞化生の,三所見が重要です.AIGの組織学的時相は早期,進行最盛期と進行終末期に分類され,それぞれで特徴的な組織像を呈します.早期では,正常の壁細胞・頸粘液細胞層構造は保たれていますが,残存する多数の壁細胞は変性しています.最盛期では正常胃底腺の消失・幽門腺や頸粘液腺(頸粘液細胞からなる腺管=偽幽門腺)置換,ECL細胞過形成をともないます.終末期では高度の腸上皮化生や胃小窩延長で,残存幽門腺や頸粘液腺が少量となっていますが,同腺部にECL細胞過形成をともなっています.AIGはどの時相であっても,上記三組織所見を組み合わせての鉗子生検のみで,確診ないし疑診を下すことが可能です.</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292350996238464
  • DOI
    10.11405/nisshoshi.119.528
  • ISSN
    13497693
    04466586
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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