朝鮮国における士庶人層の人霊祭祀とその表象(上) : 『東國新續三綱行實圖』烈女圖を題材に

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  • The ancestor and saint worship ritual hanging their portrait in early modern Korea.
  • チョウセンコク ニ オケル シショジンソウ ノ ヒト タママツリシ ト ソノ ヒョウショウ(ウエ)『 トウゴク シン ゾク サンコウコウジツズ 』 レツジョズ オ ダイザイ ニ

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抄録

本稿では、『東國新續三綱行實圖』烈女圖を主な素材として、朝鮮時代における士庶人層の未亡人による亡夫祭祀の諸相を検討することで、朝鮮時代の人霊祭祀の実態を提示した。朱子学を経国の基礎に据えた朝鮮王朝においては、朱子の『家禮』に則った祖先や死亡家族の祭祀が推奨されたが、『東國新續三綱行實圖』烈女圖には、『家禮』に則った神主以外の祭祀形態によって亡夫を祀った未亡人もまた、旌表を受けた例が認められた。国王家の原廟で用いられる影幀はもとより、土像、衣服や告身を神主の位置に据えた祭祀もまた、王朝から表彰を受けた。像による祭祀には、仏教・道教の影響が指摘される。朝鮮国は儒教国家と看做されるが、士庶人層がかかる祭祀を行うことを許容し、顕彰する寛容性を具えていた。

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