口唇の瘢痕拘縮に対してワイヤーフレーム外固定法を用い人工真皮移植を行った1例

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タイトル別名
  • A Case of Artificial Dermis Transplantation Using External Wire Frame Fixation for Lip Scar Contracture

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抄録

上下口唇の広範な瘢痕拘縮の再建は植皮が有用だが,移植片の固定に難渋し再建後も拘縮による機能障害が問題となる例がみられる.今回われわれは,上下口唇の瘢痕拘縮に対し,ワイヤーフレーム外固定法を用いて人工真皮移植と二期的に全層植皮を行った症例を経験したため報告する.<br> 症例は39歳,男性,顔面熱傷を受傷し上下口唇は保存的治療を行うも瘢痕が肥厚し外鼻孔の狭窄と醜状障害を認めたため瘢痕切除と人工真皮移植を行った.人工真皮移植はワイヤーフレーム外固定法を用いて完全生着し,真皮様組織の構築後に再度ワイヤーフレーム外固定法にて全層植皮を行い完全生着した.術後1年経過し皮膚の再拘縮を認めず,機能的・整容的に良好な結果が得られた.<br/> ワイヤーフレーム外固定法は自由縁での固定性がよいため移植片の生着率が高く,術後管理も比較的容易であり,人工真皮移植とその後の全層植皮に用いることで術後の皮膚収縮の予防に有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 熱傷

    熱傷 48 (2), 42-46, 2022-06-15

    一般社団法人 日本熱傷学会

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