術前に発見された対側の部分肺静脈還流異常症に対し修復術を先行し肺癌手術を行った症例

  • 早川 渓吾
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 朝比奈 直揮
    長津田厚生総合病院 循環器内科
  • 児玉 翔
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 東 真伊
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 鍵本 美奈子
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 加藤 真吾
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 井口 公平
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 仁田 学
    横浜市立大学附属病院 循環器内科
  • 福岡 雅浩
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 福井 和樹
    神奈川県立循環器呼吸器病センター 循環器内科
  • 町田 大輔
    横浜市立大学附属病院 心臓血管外科・小児循環器
  • 益田 宗孝
    横浜市立大学附属病院 心臓血管外科・小児循環器

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Contralateral Partial Anomalous Pulmonary Venous Connection Who Underwent Surgical Correction Before Lobectomy for Lung Cancer

この論文をさがす

説明

<p> 部分肺静脈還流異常症(PAPVC:partial anomalous pulmonary venous connection)は,肺静脈の一部が左房ではなく体循環静脈系に還流する稀な先天奇形である.肺癌手術において切除予定外の肺葉に存在するPAPVCがあると,分離肺換気に伴う術中の低酸素や,肺葉切除後に左-右シャントが増大し,術後右心不全のリスクとなる.</p><p> 症例は70代男性.健診の画像検査で胸部異常陰影を指摘され,当院受診.気管支鏡検査で右肺上葉腺癌の診断となり,右上葉切除手術予定となった.しかし,術前CTで左肺全部のPAPVCを指摘された.左肺動脈造影で,左上下肺静脈が合流し,垂直静脈を介し,無名静脈へと還流していた.心臓MRIを用いて計算した肺体血流比(Qp/Qs)は1.80であった.まず,PAPVCの修復術を行い,二期的に肺癌手術を行った.</p><p> 今回,肺癌部分切除の術前検査で対側肺にPAPVCを認め,PAPVCの修復術を先行し,安全に肺癌手術を行えた症例を経験したので報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 53 (6), 591-597, 2021-06-15

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ