苗畑におけるコナラの竹筒播種試験

DOI
  • 星野 大介
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 川崎 達郎
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所
  • 明間 民央
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所

書誌事項

タイトル別名
  • Direct seeding of <i>Quercus serrata</i> using bamboo cylinder in a forestry nursery

抄録

<p>伐採跡地の森林再生には天然更新法では不確実性が高く、人工植栽法では育苗コストがかかる。そこで確実で省力的な更新技術の開発が求められている。日本各地には地表に挿した竹筒の内部に播種する方法の伝承がある。竹筒播種が樹木の更新に有効であるのか検証するため、コナラに対して所構内の苗畑で試行し、生残量と成長量を計測したので報告する。2018年に母樹1本から種子を採取し、冷蔵中に発根させた。2019年5月に地表播種(地下1 cm)、地中播種(地下5 cm)、竹筒播種の3種類の方法で、苗畑に各30粒ずつを播種した。併せて同じ種子30粒でコンテナ苗を生産し、1年後に同じ苗畑に移植した。播種1ヶ月後、地表播種、地中播種の多くの種子は野鼠によって持ち去られた。竹筒播種は無被害であった。冬に野兎により全当年生実生の主軸が食害されたものの、翌春には萌芽によって再成長した。竹筒播種の平均実生樹高は1年生で84 cm、2年生で186 cmであり地表播種、地中播種やコンテナで育苗した苗木より高かった。以上のように竹筒播種は、野鼠による種子の持ち去りを抑えて実生の生残率を高め、成長も良好であった。実用化には今後、山地での実証が課題となる。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472549876352
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_142
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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