アカマツ上木の択伐跡地における2年目の広葉樹の更新
書誌事項
- タイトル別名
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- Initial regeneration of broadleaved species after <i>Pinus densiflora</i> selective cutting
抄録
<p>アカマツと広葉樹の二段林におけるアカマツ択伐後の広葉樹林化の可能性を検討した。調査プロットは伐採作業に伴う攪乱強度によって3つの区画に分けられた。もっとも攪乱が小さかった区画では,2m以上10m以下の中間層に前生樹が多数残っており,これらのうち高木種が林冠を形成するものと考えられた。また、50cm以上2m以下の下層に更新する木本種は、10m以上の上層より中間層からの種子散布の影響が考えられた。作業道や伐採時の損傷など攪乱が大きかったところでは,中間層の個体が少なくなっているが、その下層には更新個体が多数存在する。この空間が下層からの更新によって埋められることが森林の回復にとって重要である。しかし,特に中間層以下の個体が除去された作業道上には低木性樹種が高木性樹種の2倍以上確認され、高木性樹種は低木性樹種によって被圧される可能性が示唆された。また、50cm以下の更新個体は草本やつる植物と競合する傾向が見られたため,今後伐採からの経過年数とともにどのように更新していくのかモニタリングをする必要がある。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 319-, 2022-05-30
日本森林学会