出身地の異なるダケカンバの葉形質の違い:8箇所での産地試験を用いた分析

書誌事項

タイトル別名
  • Genotypic variation of the leaf traits of <i>Betula ermanii</i> using 8 common garden experiments

説明

<p>樹木が持つ葉形質やフェノロジーの種内変異は、過去の環境適応の結果であり、これを知ることで気候変動への適応の可能性を評価できる。多くの樹種でこれらの変異が調べられてきたが、葉は可塑性が大きいため、複数の試験地を用いてこれを検証する必要がある。本研究は、気候変動の影響を強く受ける高標高地域生育するダケカンバの葉形質・フェノロジーの種内変異を、11産地・8試験地からなる産地試験を用いて検出し、関連する環境要因を推定することを目的とした。8試験地の生存953個体の春葉の乾燥葉重・葉面積・SLA(比葉面積)を測定し、4試験地にて計145個体の開葉日を記録し、それと関連する気候値を解析した。その結果、8試験地中3試験地で高緯度産地ほど乾燥葉重が有意に重く、6試験地で高緯度産地ほど有意に葉面積の広い葉を持ち、5試験地で高緯度産地ほどSLAが大きいことが分かった。また、開葉日は4試験地中3試験地で高緯度産地ほど早い傾向があった。主成分分析の結果、葉形質と開葉日は産地の降水量や日射量と関連することが推定された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472549902336
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_382
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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