南限域の紫尾山におけるブナの分布状況
書誌事項
- タイトル別名
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- Distribution of <i>Fagus crenata</i> in its southern limit around Mt. Shibi-san
説明
<p>鹿児島県の北西部に位置する紫尾山(標高:1,067m)は,古くから地域住民のシンボルであるとともに,ブナの南限域の自生地として知られており,その一部は,「紫尾山ブナ等遺伝資源希少個体群保護林(32.11ha)」となっている。近年,紫尾山では,ニホンジカの食害によるブナ稚幼樹を含む下層植生への被害が増えており,温暖化等の環境変化によるブナ成木の衰退も懸念されている。将来的に当該地におけるブナ林の保全を進めていくためには,生態的および遺伝的な知見の整理に加え,それらを基にした適切な施業・管理の実施が重要である。特に,地域内における分布状況の把握および天然更新の可否を検討することは,今後の自生地保全をすすめる上で急務である。そこで,紫尾山全域におけるブナ生残木の分布と林分状況について調査した。その結果,山頂を中心として東西2km,南北4kmの範囲に3,200個体以上のブナ(胸高直径1cm以上)の分布を確認し,胸高直径の最大値は90.0cmであった。分布の最下限は標高740mで,暖かさの指数は94となり暖温帯上部に区分された。分布下限域にあたる標高800m付近では,暖温帯林の主要構成樹種であるスダジイ等と混生していることが確認された。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 472-, 2022-05-30
日本森林学会