早期心材形成樹種における木部形成と心材形成の関係
書誌事項
- タイトル別名
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- The relationship between xylem formation and the heartwood formation in early heartwood forming tree species
説明
<p>心材は、養分貯蔵を担っている柔細胞を含むすべての細胞が死んだ辺材の領域で形成されると考えられており、着色心材の場合は肉眼レベルで辺材と区別することが可能である。しかし、心材形成の時期や環境条件等に関する研究は、十分行われているとは言い難い。その理由の一つとして、多くの針葉樹は、数十年以上経過しないと心材が形成されない事が挙げられる。そこで本研究では、早期心材形成樹種のひとつであるタラノキを対象に、心材形成の詳細を明らかにするために、気候帯の異なる3地域(北海道足寄町、埼玉県秩父市、静岡県浜松市)に苗木を植栽し、木部形成の地域特性を見出すとともに、酢酸カーミン溶液およびヨウ素液を用いた木部柔細胞の観察を行った。その結果、足寄町では初夏に地上部が枯死したが、秩父市と浜松市の苗木は地上部の成長が認められた。着色心材は5月では形成が認められなかったが、9月になると2地域とも認められた。組織観察を行ったところ、地際の着色された木部領域では、デンプンも細胞核も認められなかった細胞が大半であったが、地際から離れた上部の着色領域ではデンプンと細胞核を含む多くの細胞が認められた。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 412-, 2022-05-30
日本森林学会