ナラ枯れ初発地におけるならたけもどき病の空間分布

DOI
  • 髙橋 由紀子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 升屋 勇人
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 山下 聡
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 安藤 裕萌
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 鳥居 正人
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域
  • 服部 友香子
    国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所きのこ・森林微生物研究領域 日本学術振興会特別研究員PD
  • 皆川 拓
    岩手県林業技術センター

書誌事項

タイトル別名
  • Spatial distribution of Desarmillaria root rot in the first occurring area of Japanese oak wilt

抄録

<p>2020年に茨城県つくば市の公園緑地においてナラ枯れが発生し,カシノナガキクイムシの穿孔木の多くがナラタケモドキに感染しているのが確認された。ナラタケモドキはならたけもどき病の病原菌であり,分布の拡大によるナラ類の衰退枯死被害が懸念される。ナラタケモドキとキクイムシがどのように分布を拡大させているかを検討するために,ナラ枯れ未被害から被害拡大傾向にある市内14箇所の公園における空間分布を調査した。子実体が樹体またはその近傍で発生した樹木をならたけもどき病罹病木としてその本数及びナラ枯れ枯死木本数が多い公園をそれぞれの分布中心と仮定し,罹病木本数,穿孔木本数,コナラ本数,及び公園間の距離(0.5~13.5km)から空間分布を解析した。その結果,両者の分布には偏りがあり,ならたけもどき病は分布中心からの距離と罹病木本数に,ナラ枯れは分布中心からの距離と穿孔本数に負の相関があった。両分布中心間の距離は1.7kmであった。子実体は多いがキクイムシは少ない公園も見られた。両者の因果関係についてはさらなる検証が必要であるが,子実体の発生が多い公園では今後も注視が必要である。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472558112768
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_657
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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