知床国立公園におけるシャトルバスの運行に対する利用者の選好
書誌事項
- タイトル別名
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- Visitor's preferences for park shuttle services at Shiretoko National Park
抄録
<p> 知床国立公園では、交通渋滞および道路上でのヒグマと利用者との軋轢に対処するため、公園の入り口からシャトルバスへ乗り換える車両規制の導入が検討されている。乗り換えを促進するため、車内で自然ガイドが解説案内を行うなど、体験オプションを付加することも検討されている。持続的な運用のためには、料金、待ち時間、体験オプションに対する利用者の選好を踏まえた、運行体制の最適化が求められる。本研究は知床を事例に、自然公園におけるシャトルバス運行に対する選好を、個人によるちがいを踏まえて把握し、より多くの利用者にとって望ましい運行体制を検討することを目的とした。</p><p> 2021年9月および10月に、選択型実験を用いた現地での意識調査を実施した。得られたデータは潜在クラスモデルにより分析を行った。その結果、回答者は複数の集団に分けられ、待ち時間が減る場合に、追加で支払ってよいと考える料金は集団により異なった。体験オプションについては、重視する集団と、重視しない集団とが存在した。これらより、料金と待ち時間のトレードオフを考慮した運行間隔の設定、一部の便をオプション付きで運行することなどの有効性を考察した。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 83-, 2022-05-30
日本森林学会