コナラ・ミズナラにおける萌芽と潜伏芽の関係

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タイトル別名
  • Relationship between sprouting and epicormic buds in Quercus serrata and Quercus crispula

抄録

<p>樹木の萌芽再生能力は薪炭林施業などで利用されてきたが近年は管理放棄が進み、母樹の老齢化に伴う萌芽再生能力の低下が指摘されている。東日本の薪炭林の主要構成種であるコナラとミズナラは分布域に違いが見られ、種間交雑もしにくいため、二種間で萌芽特性に違いがあってもおかしくないが、差異があるかどうかは判っていない。ブナ科広葉樹の萌芽は定芽再生のため、X線CT画像を用いて、樹木内部を三次元で可視化することで潜伏芽が樹木内部に残す痕跡(bud trace)を追跡し萌芽能力の時系列での消長を計測できる。本研究では、伐採による潜伏芽の動態調査と潜伏芽の生産から消失までの履歴を追跡するX線CT装置を用いた調査を組み合わせ、コナラとミズナラの萌芽再生のメカニズムを明らかにすることを目的とした。ミズナラは多くの潜伏芽をクラスター状に集める傾向が強く、コナラより多くの萌芽枝が発生した。コナラ・ミズナラ共に成長初期段階に潜伏芽を多数蓄積し、攪乱後にほとんどをリリースして潜伏芽は減少していた。また、攪乱により潜伏芽の蓄積が大幅に減少する個体と、新たに潜伏芽を補填し樹齢40年以降も高い萌芽再生能力を維持できる個体の2パターン観察できた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472566056576
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_443
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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