教訓談義本における心術と道徳 : 田中友水子の『面影荘子』を事例として

DOI 機関リポジトリ Web Site オープンアクセス

書誌事項

タイトル別名
  • How to hold the heart and morality in a kind of early modern Japanese lesson book(Kyoukun Dangi-bon) : as an example of Tanaka Yusuishi's "Omokage Souji"
  • キョウクン ダンギボン ニオケル シンジュツ ト ドウトク : タナカ ユウスイシ ノ オモカゲ ゾウシ オ ジレイ トシテ
  • キョウクン ダンギホン ニ オケル シンジュツ ト ドウトク : タナカ ユウ ミズコ ノ 『 オモカゲ ソウジ 』 オ ジレイ ト シテ
  • 教訓談義本における心術と道徳 : 田中友水子の面影荘子を事例として

この論文をさがす

説明

田中友水子(生没年不明)は18世紀の中盤に大坂で活躍した教訓談義本の作者である。その作品である『面影荘子』(寛保3年1743刊)は、先行する佚斎樗山の『田舎荘子』(享保12年1727刊)と同じく、無為自然の道に従う生き方を説く『荘子』の思想を、問答体の物語の形式を用いて説明する。『田舎荘子』との相違点としては、強固な心の自覚や被治者向けの知足を含まないことが挙げられ、『面影荘子』独自の特徴としては、老荘の無為自然の道に即応した心術(心の持ちよう)を儒教道徳の前提とし、そこに『孟子』への理解も交え、老荘と儒教を対等に重んじた点が指摘できる。こうした友水子の主張は能力の有用性や個性・多様性の尊重へと及び、前年に刊行された『世間銭神論』が町人に経済活動に即した教えを示したのと併せ、生活一般のための基本的な教訓を読者に届けるものであった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ