日本海側多雪地環境への適応を伴う常緑広葉樹ユズリハの進化過程

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タイトル別名
  • Evolution of broad-leaved evergreen tree, <i>Daphniphyllum macropodum</i>, involved with adaptation to heavy snowfall region

抄録

<p>北海道から本州の日本海側には多量の降雪で特徴づけられる地域が存在する。この気候により、この地域には特有な植物群が存在する。この植物群の特徴の1つに、複数の常緑低木種の存在が挙げられる。この常緑低木種は、太平洋側の少雪地に樹高の高い変種(もしくは近縁別種)が存在するため多雪化に伴い適応的に進化したと考えられている。しかし、進化過程は不明な点が多い。そこで、本研究ではその代表であるエゾユズリハ(日本海側・低木)および変種のユズリハ(太平洋側・亜高木)を対象として遺伝的特徴を明らかにすることを目的とした。</p><p>日本全国の分布を網羅する38集団と韓国(済州島)より1集団を採取し、加えて外群として近縁種であるヒメユズリハ3集団を採取した。そして、葉緑体DNAの遺伝子間領域3カ所の塩基配列および、核ゲノム全体の一塩基多型(SNPs)を取得できる手法であるRAD-seqを用いて変異の検出を行った。</p><p>結果、外群を合わせた解析ではエゾユズリハとユズリハは外群であるヒメユズリハから大きく分岐していた。一方で、エゾユズリハとユズリハの遺伝的分化は葉緑体DNAハプロタイプと核SNPsで異なる傾向を示した。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472573851264
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_150
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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