近年、北海道で見出された細菌性広葉樹病害(Ⅰ)
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- 石原 誠
- 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所北海道支所
書誌事項
- タイトル別名
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- Bacterial disease of broad leaf recently found in Hokkaido Region (Ⅰ)
抄録
<p>-ハルニレの黄化葉と師部壊死の発生について-</p><p>ニレ立枯病は、キクイムシ類によって伝搬し、北海道ではニレ類に時折発生して衰弱と枯死をもたらす重要病害であるが、伝搬の証拠となるニレノオオキクイムシの後食加害痕が見つけられず、症状もやや異なるハルニレの衰弱現象が散見されたので、原因の調査を行った。札幌市北部地域の3ケ所の植栽ハルニレについて葉の黄化と早期落葉が8月〜9月に認められたが、葉が萎凋褐変しないこと、黄化葉の着生枝に面的な師部組織の褐変壊死と特有の芳香を生じている点で、立枯病や単なる生理現象とは原因が異なると考えられた。患部を解剖してDAPIによる蛍光観察をすると、黄化葉の中助部と2年生枝の壊死部近傍の師部細胞内にDNAの蓄積による発光が観察されたことから、ファイトプラズマの鑑別性状と一致した。現在、病原の検出について検討を行っている。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 654-, 2022-05-30
日本森林学会