福島原発事故後の九州におけるクヌギ原木の移出構造〜三県の比較を通して〜

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タイトル別名
  • Shipping structure of Shiitake log in Kyushu area after the Fukushima nuclear accident

抄録

<p>2011年に発生した福島第一原発事故の影響によって、北関東地域(栃木県を含む)と東北地方のシイタケ原木産業は壊滅的な打撃を受けた。原発事故後のシイタケ生産に関して、コナラ原木や林地の表層土壌の放射セシウムの濃度に関する研究は多くある一方で、社会科学的な観点からの研究は極めて少ない。これまでに林野庁は東北・北関東地域の原木不足を解消するための需給マッチングシステムを構築しており、大分県、宮崎県、熊本県が栃木県へ原木を移出していることが先行研究によって明らかになっているが、それらの調達元の実態は依然として不明である。そこで本研究は栃木県の原木調達元である九州3県でシイタケ原木の移出の実態について明らかにすることを目的とする。3県の県庁、森林組合連合会等で行った資料収集と聞き取り調査の結果、大分県、宮崎県では森林組合連合会が事業の取りまとめを行っていたことや、大分県ではクヌギ原木、宮崎県ではコナラ原木を主に出荷しており移出する原木の種類が異なっていたこと等が明らかになった。また、森林組合の労働力不足やシイタケ原木生産者の高齢化によって、今後原木の出荷量が減少していく可能性があることも示唆された。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292472573929472
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_70
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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