WebによるME業務管理システムの有用性

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抄録

〔はじめに〕臨床工学技士が医療機器を効率的に運用し,信頼性や安全性を確保することで患者の安全を図ることは当然である.われわれはコンピュータ管理により医療機器の安全性や信頼性情報を迅速に把握してきたが,今回,Web(World-Wide Web)によるインターネットを利用し医療機器の信頼性情報や修理履歴を把握することができ,有用性を認めたので報告する.〔方法〕対象とした資産台帳は,医療機器を管理登録する機器管理台帳と,点検や修理内容を入力する機器保守台帳である.これらをASP(Active Server Pages)により,SGML(Standard Generalized Markup Language)を用いて構築した.これをceMML(Clinical Engineering Medical Markup Language)と命名した.開発したプラットフォームはMicrosoft社のWindows【○!R】 XPであり,アプリケーションサーバはIIS(Internet Information Services),データベースにOracle社のOracle【○!R】 9iを利用した.〔結果〕機器管理台帳をシステム化することにより院内医療機器は86分類,602機種,1,803台管理していることが迅速に把握することができた.また,日本光電工業(株)製、心電図監視装置、型式OMP-7201である当院の管理番号101 001において平均修理間隔は348日であり,区間推定期間が211日から697日であることも迅速に把握することが可能になった.〔考察〕Web特有のユーザインターフェースをさらに改良しなければスタッフの入力作業を軽減することはできない.また,ceMMLの記述により各施設間での情報を共有することが可能になるが,さらにドキュメントや情報交換等の記述を明確にすることが急務である.〔結語〕今回,ceMMLの記述でWebシステムを構築することにより,院内医療機器の管理台数の把握,さらには信頼性情報も把握することができた.このシステムは今後,各施設間で医療機器の保守管理情報を共有できるシステムになると思う.

収録刊行物

  • 医科器械学

    医科器械学 73 (4), 224-, 2003-04-01

    一般社団法人 日本医療機器学会

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