地域連携システム「金鯱メディネット」におけるカルテ情報を利用したかかりつけ薬局の質向上に向けた探索的研究

DOI
  • 天野 詩織
    独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター薬剤部
  • 井上 裕貴
    独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター薬剤部 独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター臨床研究センター臨床研究企画管理
  • 伊藤 佑奈
    独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター薬剤部
  • 間瀬 定政
    ませ調剤薬局
  • 本多 祥子
    ませ調剤薬局
  • 中井 正彦
    独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター薬剤部
  • 佐藤 智太郎
    独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター整形外科・リウマチ科
  • 網岡 克維
    金城学院大学薬学部社会薬学研究室
  • 松本 修一
    名城大学薬学部実践薬学Ⅰ研究室
  • 奥田 聡
    独立行政法人国立病院機構東名古屋病院脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A pilot study to improve medication-guidance quality using medical records in the regional collaboration system "Kinshachi Medinet"

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抄録

保険薬局は患者の服薬情報の一元的・継続的な把握と薬学的管理・指導を実施し、ICTを活用しながら患者に接していくことが求められている。そこで名古屋医療センター(以下当院)の地域連携システム「金鯱メディネット」の情報が、薬局にてどのように利用されているか調査を行った。2015年9月から2016年7月までの当院に通院し、「金鯱メディネット」の情報共有に同意した患者10例を対象とした。「金鯱メディネット」の閲覧回数が最も多かった項目は医師・薬剤師の記録であった。処方箋発行日と処方箋発行日以外での利用日数を比較した結果、処方箋発行日以外の利用日数が有意に多かった。(P=0.019)受診回数に対する「金鯱メディネット」への閲覧回数では、受診回数が多い患者ほど閲覧回数も比例して増加し相関がみられた。(r=0.82)「金鯱メディネット」で患者情報を確認し、服薬指導に繋げていることが示唆された。また、「金鯱メディネット」で電子カルテ情報を開示後、来院日以外にも電子カルテの情報を閲覧するなど、服薬指導のあり方が変化していることが明らかとなった。ICTを利用し、医療情報を多職種で共有することは業務効率や継続的に患者をケアしていくうえで必須であり、「金鯱メディネット」により患者情報を共有することは、保険薬局が多職種・多機関とより強固な連携を行い地域包括ケアの一翼を担うための手段の一つとなることが示唆された。

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