不安定型骨盤骨折を併発した III b型肝損傷に急性期非手術療法を行い良好な経過をたどった1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of type IIIb liver injury with unstable pelvic fracture successfully treated with acute non-operative management using multidisciplinary therapeutic approaches
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抄録
<p>20代, 男性。泥酔して路上で寝ていたところを乗用車に轢かれ, 救急搬送された。来院時はショック状態であり, 大量輸液と人工呼吸管理を開始し, resuscitative endovascular balloon occlusion of the aorta (REBOA) 下に造影CTを施行した。 III b型肝損傷と不安定型骨盤骨折を認め, 肝と骨盤の出血部に動脈塞栓術を施行し, 出血性ショックを離脱し入院となった。入院後, 胆汁性腹膜炎が発症し, 経皮的に肝周囲にドレーンを留置した。ドレナージは良好であったが胆汁漏による炎症反応の高値が遷延したため, 内視鏡的経鼻胆管ドレナージを施行した。良好なドレナージが得られ, 解熱と炎症反応の低下を認めた。第13病日に骨盤骨折の内固定術を施行し, 第63病日に独歩退院となった。循環状態が不安定な重症肝損傷に対しても, REBOA併用下のCTで出血源を同定し動脈塞栓術による止血, 胆汁瘻に経皮ドレナージや経鼻胆管ドレナージを行うという集学的な急性期非手術療法は, 良好な予後のために有用な選択肢である。</p>
収録刊行物
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- 日本救急医学会関東地方会雑誌
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日本救急医学会関東地方会雑誌 43 (3), 76-80, 2022-06-30
日本救急医学会関東地方会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390292572064420480
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- ISSN
- 24342580
- 0287301X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可