右高位肋骨骨折および右頸椎横突起骨折とは対側に生じた外傷性左総頸動脈閉塞の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of blunt left common carotid artery occlusion with right high rib fractures and transverse process fracture of the cervical spine

この論文をさがす

説明

<p>50歳代男性。トラックを運転中, 停車していたトラックに追突して受傷した。精査のComputed tomography (CT) にて両側外傷性気胸・骨盤骨折に加えて左総頸動脈の造影途絶を認めた。左内頸動脈および左外頸動脈は造影されていた。頭蓋内に梗塞所見はないため慎重に経過観察していたが, 来院14時間後に右片麻痺と意識レベルの低下が出現した。magnetic resonance imaging (MRI) で左中大脳動脈領域の脳梗塞を認めた。骨盤骨折の手術後から抗凝固療法を開始した。失語と麻痺は残存したが神経症状は増悪なく経過し, 約2カ月後に転院した。鈍的外傷による総頸動脈閉塞はまれな疾患であるが, 神経症状出現率・死亡率がともに高率である。治療として抗血小板薬の有用性が報告されているが, 多発外傷の患者においては出血増悪によるリスクも加味する必要があり, 治療には今後さらなる検討が必要と考えられた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ