急性期病院における看護スクリーニングフローチャートを用いた 誤嚥性肺炎の発生率と患者特性

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  • Incidence and patient characteristics of aspiration pneumonia using a nursing screening flowchart in an acute hospital

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われわれが開発した「嚥下障害と誤嚥性肺炎患者スクリーニングフローチャート(DAS フローチャート)」を用いて急性期病院に入院後の誤嚥性肺炎の発生率と誤嚥性肺炎患者の特徴を調査した.2020年10月から2021年1月にかけて横断的な調査を実施した.研究期間中,入院患者10,039名のうち97名が肺炎疑いあるいは肺炎と診断された.その97名のうち,73名(75.3%)に誤嚥性肺炎を認めた.したがって,誤嚥性肺炎の発生率は0.73%であった.73名の誤嚥性肺炎患者のうち,48名(65.8%)につぎの3つの医師診断パラメータのうち少なくとも2つが認められた:体温≧ 37.5℃,C反応性たんぱく≧20 mg/L,白血球数≧9,000/μL.DAS フローチャートは,誤嚥性肺炎の患者を特定するために使用できる可能性があるが,DASフローチャートの妥当性を検討するためのさらなる研究が必要である.<br><br>【キーメッセージ】<br>1.今回の研究は看護・介護のどのような問題をテーマにしているのか?<br> 研究を行うきっかけとなったことはどのようなことか?<br>→誤嚥性肺炎は高齢者の死因の上位に入るにもかかわらず,定量的な診断基準の策定がむずかしい病態である.入院患者に対する誤嚥性肺炎の発生率はいまだ明確ではない.<br><br>2.この研究成果が看護・介護にどのように貢献できるのか?あるいは,将来的に貢献できることは何か?<br>→ 本研究で開発したフローチャートを使えば,看護のリソースのみで誤嚥性肺炎患者のスクリーニングが可能となる.これまで見逃されてきたかもしれない誤嚥性肺炎の兆候を発見し,重症化する前のケア介入が期待できる.<br><br>3.今後どのような技術が必要になるのか?<br>→情報通信技術を用いた誤嚥性肺炎の早期検出システムの開発が求められる.

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