Development of edible mushroom production technology using waste biomass

DOI
  • 高畠 幸司
    琉球大学農学部 〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町千原1番地

書誌事項

タイトル別名
  • 未利用資材による食用きのこ生産技術の開発

抄録

食用きのこ菌床栽培において菌床培地を構成する培地基材,栄養材の種類と組成割合が子実体の収量と品質に影響することを明らかにした.特に産業廃棄物や未利用バイオマス資源が菌床培地に利活用でき,有用であることを示した.大豆加工食品製造過程で大量に廃棄されているオカラは,米ぬか,フスマと混合すると,栄養環境の相補作用により,米ぬか,フスマを単独で使用した場合に比べて子実体収量は増加した.同様に小豆加工食品製造過程で生じる餡殻を栄養材としてヒラタケ菌床栽培に試みたが,不適であった.しかし,培地基材である針葉樹オガ粉を餡殻で置換して栽培すると,子実体収量は増加した.エノキタケ栽培では,子実体成分にも影響し,遊離アミノ酸のアラニン,グリシン含有量が増加して甘味の強いエノキタケの栽培が可能となり,餡殻は培地基材として有用であることを明らかにした.ヤマブシタケは培地基材の選択性が広いことに着目し,ヤマブシタケ菌床栽培への数種きのこ栽培廃菌床の利用性を検討した.シイタケ,マイタケ,ナメコ,ブナシメジの各廃菌床はブナオガ粉の代替材として利用でき,ブナオガ粉よりも増収すること,また廃菌床を堆積処理することで増収効果がより一層増すことを見出した.廃菌床を使用した培地では培地中に遊離グルコース,低分子a-グルカン,低分子b-グルカンの含有量が増加していることを見出した.そこで,廃菌床に替わって多糖分解酵素を培地調製時に添加してヤマブシタケを栽培すると,子実体収量が増加することを明らかにした.これらのことに基づいて多糖分解酵素を用いる新たな栽培方法を明示した.放置竹林が社会問題として顕在化しているが,竹材の用途開発の一助としてヒラタケ菌床栽培における栽培資材としての利用を検討し,新鮮な竹材オガ粉では広葉樹オガ粉培地と同程度以上の収量を示した.また,竹材オガ粉を堆積処理することにより子実体収量が増収し,竹材がヒラタケ菌床栽培に利用可能であることを提示した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292706081484544
  • DOI
    10.24465/msb.29.1_5
  • ISSN
    24327069
    13487388
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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