喉頭微細手術時に測定した成人声帯長, 声帯膜様部長の解析

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タイトル別名
  • Morphometric Analysis of the Vocal Folds in Japanese Adults during Microlaryngeal Surgery
  • コウトウ ビサイ シュジュツジ ニ ソクテイ シタ セイジン セイタイチョウ,セイタイマク ヨウ ブチョウ ノ カイセキ

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抄録

<p> 喉頭の正確な形態学的データは, われわれ耳鼻咽喉科医にとって喉頭微細手術, 音声外科手術などを行う際に有用となる. 本研究では, 日本人における声帯長と声帯膜様部長について計測した. 対象は, 全身麻酔下に喉頭微細手術を受けた, 声帯結節, 声帯ポリープ, 喉頭白板症などの異なった喉頭疾患の患者である. 声帯長を測定できたのは, 17~94歳の男性36名, 女性28名, 計64名であり, 膜様部長を測定できたのは, 17~94歳の男性41名, 女性32名, 計73名である. 全例, 喉頭展開して術中に金属メジャーを用いて声帯長および声帯膜様部長を直接測定した. 声帯長および声帯膜様部長は, 男女の測定結果を統計学的に解析し, 年齢, 身長や体重と声帯長, 膜様部長との相関性について検討した. 声帯長において男性平均は 14.8±3.0mm, 女性平均は 12.7±2.3mm, 声帯膜様部長においては, 男性平均は 11.8±2.2mm, 女性平均は 10.0±2.1mm であった. 両者とも, 男性の方が女性より有意に長い結果であった. 男女いずれも声帯長, 声帯膜様部長と年齢, 身長, 体重との相関性は認めなかった.</p><p> 本研究では, 成人日本人における喉頭の解剖学的な大きさに関して性別が重要な因子の一つであることが示唆された.</p>

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