小児後天性脳損傷の社会的行動障害

  • 吉橋 学
    神奈川リハビリテーション病院 小児科

書誌事項

タイトル別名
  • Aberrant Social Behavior in Children with Acquired Brain Injury

抄録

<p>  小児後天性脳損傷の中では脳外傷, 脳炎・脳症・髄膜炎で社会的行動障害, 特に感情コントロール低下が生じやすい。成長・発達とともに社会的行動障害の頻度は低下するが, 問題行動の質が変化し発達段階特有の課題が生じる。社会的行動障害は脳損傷により直接的に出現する場合もあるが, 認知機能障害により二次的に, あるいは環境との相互作用により出現し, 増悪する場合もある。また, 脳損傷によって社会生活の機会が損なわれ続けると, 暦年齢相応の社会的行動が身につきにくくなると考えられている。 そのため社会, 特に学齢児では学校への適応が大切になる。しかし, 学齢児では脳損傷後比較的早期に認知機能の回復過程で復学する場合が多いため, 学校への適応が難しくなる場合もみられる。そのためうまく適応できるよう継続的に学校と連携して支援を行う必要がある。適応が難しい場合には環境の調整や, 休息や適応のための時間をとることが有効かもしれない。</p>

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参考文献 (9)*注記

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