オパールの白濁原因について

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タイトル別名
  • A Cause of the Whitish Internal Zone in Opal

抄録

<p>オパールの内部白濁は、その外観より通称「エッグ」と呼ばれている。メキシコ産オパールなどの火山岩起源のオパールに特徴的に見られ、特にプレシャスオパールの色斑が良く見られる個体に発生しているのが多く観察される。この白濁部分が大きな場合、著しく外観を損ねる場合がある。 E.Fritsch (1999)のレポートでは、メキシコ産ファイアーオパールにおいて加工後 1 日ぐらいで白濁部分が発生したことが報告され、原因として球状のクラックの可能性を示唆している。</p><p>2021 年の宝石学会講演会ではメキシコ産オパールのエッグ部分が増加する可能性について言及したが、今回の観察と分析に使用したのも、既にエッグの生じているメキシコ産ウォーターオパールである。</p><p>白濁部分について断面観察を行うと、ほぼ例外なく空洞状であった。このことは、流紋岩球果の空洞中にシリカ球が堆積する過程において一時的に生じる現象であることが確認できた。試料によっては、白濁部分は複数回生じている。</p><p>薄片による断面観察では蛍光X線分析を試みた。機器は(株)堀場テクノサービス所有のHORIBA XGT9000 を使用し、化学成分のマッピングを行った。マッピング部位を事前に観察した光学顕微鏡写真を図 1 に示す。</p><p>マッピングにおいては、可視光観察像の白濁部分に対応していたのはC a とKの濃度分布であった。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390292706102244352
  • DOI
    10.14915/gsj.44.0_15
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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