病理検体を用いた遺伝子検査における作業効率化・標準化のための取り組み―チェックシートによる情報管理の有用性―

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タイトル別名
  • Efforts to improve work efficiency and standardization in genetic tests using pathological samples: Usefulness of information management using check sheets
  • ビョウリケンタイ オ モチイタ イデンシ ケンサ ニ オケル サギョウ コウリツカ ・ ヒョウジュンカ ノ タメ ノ トリクミ : チェックシート ニ ヨル ジョウホウ カンリ ノ ユウヨウセイ

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抄録

<p>本邦において,分子標的治療やがんゲノム医療が推進され,病理検体を用いたコンパニオン診断・遺伝子検査(以下,病理検体遺伝子検査)の項目数と出検数が著しく増加しており,検体要件も検査ごとに異なる。これに伴い臨床検査技師への負担は大きくなっており,作業効率化や標準化への取り組みが急務である。今回,当院における病理検体遺伝子検査の現状と作業効率化のための取り組みを報告する。過去5年間(2016年~2020年)で,病理検体遺伝子検査は,項目数が約2.5倍,年間出検数が約2倍に増加していた。作業の効率化と標準化のため,当院では独自に3種類(コンパニオン診断用,肺がん関連遺伝子検査用,がん遺伝子パネル検査用)の病理検体遺伝子検査チェックシートを作成し,適宜改訂しながら運用してきた。主な特徴は,1)検体情報と確認事項の記入,2)複数検査項目依頼時の優先順位の記入,3)必要書類,検体提出要件の参照,4)病理医による検体適否と薄切枚数の記入である。このチェックシートの導入は,病理部員同士の情報共有と作業効率化や標準化の一助となった。病理検体遺伝子検査において,臨床検査技師はプレアナリシスの段階から重要な役割を担っているが,検査依頼を受けてから検体提出までの工程と情報管理も重要であり,その1つの手段として病理検体遺伝子検査チェックシートの活用は大変有用であると考えられた。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (3), 528-537, 2022-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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