血液から<i>Trueperella bernardiae</i>が検出された閉塞性腎盂腎炎の1例

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タイトル別名
  • A case of obstructive pyelonephritis caused by <i>Trueperella bernardiae</i> isolated from blood
  • 血液からTrueperella bernardiaeが検出された閉塞性腎盂腎炎の1例
  • ケツエキ カラ Trueperella bernardiae ガ ケンシュツ サレタ ヘイソクセイ ジンウ ジンエン ノ 1レイ

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抄録

<p>本邦2例目にあたるTrueperella bernardiaeによる菌血症例を経験した。患者は80歳代女性。既往歴は認知症,脳梗塞後の廃用症候群,誤嚥性肺炎である。発熱,呼吸不全,意識障害で当院に救急搬送され,左閉塞性腎盂腎炎,それに伴う敗血症性ショックと診断された。即日,経尿道的に尿管ステントを留置し,同時に腎盂尿検体と2セットの血液培養検体が採取された。腎盂尿からProteus mirabilis,Methicillin-resistant Staphylococcus aureus,coryneformグラム陽性桿菌が検出された。血液培養は,培養5日目に4本中3本からcoryneformグラム陽性桿菌が検出され,カタラーゼ試験が陰性であったことからVITEK MSによる菌種同定を実施しT. bernardiaeと同定された。後日,腎盂尿由来のcoryneformグラム陽性桿菌を精査したところ,カタラーゼ陰性かつ血液由来株と生化学的性状が一致し,尿路を侵入門戸としたT. bernardiae菌血症と考えられた。重症感染症や無菌材料からcoryneformが検出された場合は必ずカタラーゼ試験を実施し,本菌を念頭に検査をすすめることが肝要である。なお,患者は第1病日よりtazobactam/piperacillinが投与され,第26病日に軽快退院となった。</p>

収録刊行物

  • 医学検査

    医学検査 71 (3), 538-543, 2022-07-25

    一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会

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