腕頭動脈離断術後の気管瘻再発に対する気管形成術

  • 佐々木 花恵
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座
  • 小渡 亮介
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座
  • 大徳 和之
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座
  • 川村 知紀
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座
  • 山﨑 志穂
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座
  • 皆川 正仁
    弘前大学大学院医学研究科胸部心臓血管外科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Tracheoplasty for Tracheal Collapse after the Tracheoinnominate Fistula Repair

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抄録

<p>症例は13歳男性で先天性水頭症症例である.自宅にて呼吸停止状態で発見され,当院救急搬送後に蘇生したが,重度の脳障害を負った.搬送1カ月後に当院で気管切開術が施行された.気管切開後2カ月で気管腕頭動脈瘻を院内発症し,腕頭動脈離断術と直接縫合閉鎖による気管瘻孔修復術が行われた.術後2週間目に気管修復部破綻をきたし,体外式膜型人工肺(VA-ECMO)下での気管形成術を行った.VA-ECMO確立後,気管切開カニューレを抜去した.気管損傷部を紡錘形になるようにトリミングし,マットレス縫合をかけて気管形成を行った.その後,経口で気管挿管チューブを気管分岐部直上に留置し,気管形成部の安静をはかった.術後15日目に気管切開へのチューブ交換が行われた.術後3カ月現在,気管形成部破綻や再出血はない.気管瘻孔部への補てん物の縫着が困難な気管修復部破綻症例に対して,VA-ECMO補助下での気管形成は有用な治療選択肢であると考えられた.</p>

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