自覚症状のない複数の疾患と長期間付き合う経験からの一考察

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タイトル別名
  • A Study on the Experience of Living with Multiple Long-term Diseases that Lack Subjective Symptoms
  • ジカク ショウジョウ ノ ナイ フクスウ ノ シッカン ト チョウキカン ツキアウ ケイケン カラ ノ イチ コウサツ

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抄録

<p>本稿は自覚症状のない複数の疾患と長期間付き合う経験を、非構造化面接で得た語りをもとに、現象学的な思想を背景に志向性の働きに着目し、病いとの付き合い方を記述・考察した。記述から「それからずっとかかってる」「緩い感じの枠の中にいる」「だからその分病院来てる」という経験の成り立ちが明らかになった。自覚症状のない複数の疾患を長年患うということは、受診の継続によって合併症を起こさないなどの医療上安全な「枠の中にいる」ことを緩やかに確認し、生活改善など個人の取り組みを絶対的に評価しないようにするという、患者と医療とが管理を分業するスタイルをつくり、長期的な疾患との付き合いを可能にしていた。</p>

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