自己トラッキングからみえる未来
-
- 美馬 達哉
- 立命館大学・先端総合学術研究科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Future World Seen from Self-tracking
抄録
<p>本稿では、自己トラッキングの文化に関する研究を概説した。現代の自己トラッキングは、従来の自己内省の拡張であるが、2010年代以降に進歩したデジタル技術を使用した新しい実践でもある。その一例である「数量化された自己(QS) 」コミュニティでは、健康やフィットネスだけではなく、新しいライフスタイルの発明や審美性も議論されている。これは、主体としての自己が客体としてのデータを操作する還元主義的イメージとは異なり、デバイスと人間とデータのハイブリッド化を示唆する。また、自己トラッキングは、社会学の分野で、還元主義、生物医学化、健康主義、社会問題の個人化として批判される傾向があるが、本稿では、個人化した自己知識(N-of-1)を生み出すユーザーの集団的実践の重要性とそれが日本の当事者研究と類似していることを指摘した。</p>
収録刊行物
-
- 保健医療社会学論集
-
保健医療社会学論集 32 (1), 23-33, 2021-07-31
日本保健医療社会学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390292936928602752
-
- ISSN
- 21898642
- 13430203
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可