1号抄紙機ドレネージシステム改造による省エネ

書誌事項

タイトル別名
  • Energy Saving by Modifying Drainage System of Paper Machine 1

抄録

地球温暖化対策の具体的な活動が各国に求められている中,日本政府は「2030年に温室効果ガスを2013年度比46%削減し,さらに50%の高みに向け挑戦を続けていく」という目標を表明した。その実現のために,企業のCO2削減努力はより重要となっている。<br>三島工場では省エネ活動を継続しているが,2016年度から2020年度までの5年間の平均原単位変化は,100.6%となり,削減目標の99%を達成するには至らず,効果的な省エネ設備工事を実施することが急務であった。<br>そこで,1号抄紙機と3号抄紙機の同一銘柄生産時の蒸気原単位差が5%あることに着目し,各抄紙機のドレネージシステムを比較した結果,1号抄紙機のドレネージシステム改造を実施した。<br>改造内容は,群間差圧制御から群内差圧制御への変更,1・2・4群のロータリーサイフォンから固定サイフォンへの変更及び1群にサーモコンプレッサーを設置した。<br>これにより,ブロースルー蒸気の削減及びフラッシュ蒸気の回収量増加となり,1号抄紙機の対前年同月比の蒸気原単位は工事実施後の8ヵ月平均で5.4%改善し,蒸気削減率は4%,CO2削減量は約30 t-CO2/月となった。<br>また,2021年度11月現在の三島工場全体のエネルギー原単位では,対前年度比97.1%となっており,2.9%改善の内,本工事は0.4%に貢献している。

収録刊行物

  • 紙パ技協誌

    紙パ技協誌 76 (7), 620-624, 2022

    紙パルプ技術協会

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