協働ロボットのCNCの内部情報を活用した磨き動作の検討

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タイトル別名
  • Study on Polishing Motion Using Internal Information of Servos of Collaborative Robot

抄録

<p>近年,IoT(Internet of Things)に基づく「つながる工場」に関する技術開発が重要とされており,産業用ロボットにはセンシング技術とそのデータから自律動作することが求められている.本報においては,協働ロボットにおける複雑形状の磨き作業に着目して,開発した無線振動モニタリングシステムの技術とCNC内部情報を融合させる手法に取り組んだ.特に協働ロボット土台に具備されている力センサの内部情報を,単に人との接触を検出するだけでなく,加工の高精度化にも活用した新しい磨きシステムの構築に注力した.</p><p>本報で提案して構築した磨きシステムは7kg可搬の6軸協働ロボット(FANUC社:CR-7iA/L)のエンドエフェクタにエアリューター(UHT社:MSG-3BSPlus)を取り付けたものであり,J1軸直下の土台部に人との接触の検出用の力センサを有したものである.そのエアリューター周辺には開発した無線振動モニタリングシステムと非接触赤外線温度センサを取り付けることで,磨き加工中の力・振動・温度を同時にモニタリング可能なシステムとなっている.開発した無線振動モニタリングシステムは内部に複数の加速度センサを有しており,直交2軸方向の加速度成分を計測することができる仕様である.この際,内部の電気回路にてRMS演算を実施し,その結果を外部のPCへ無線で転送することができるシステムである.</p><p>本報においては,まず協働ロボット土台に具備されている力センサの出力値と実際の荷重との関係性を明らかにした.次に磨き加工中の工具表面の熱分布において赤外線サーモグラフィカメラを用いて確認し,温度が工具円周上では均一に分布していること,非接触赤外線センサの出力値と大きな違いがないことを確認した.その後,工具切り込み量を変更した場合の研削力,研磨温度,工具振動の変化の傾向を明らかにした.それらデータに基づき安定する条件を探索し,ケーススタディとしてワークをロボットによって鋼材の磨きを遂行して,構築したシステムの有効性を考察した.</p>

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