後期高齢者の在宅療養移行時における訪問看護師の服薬支援に要する情報の認識

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  • コウキ コウレイシャ ノ ザイタク リョウヨウ イコウジ ニ オケル ホウモン カンゴシ ノ フクヤク シエン ニ ヨウスル ジョウホウ ノ ニンシキ

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説明

<p>目的 後期高齢者の在宅療養移行時における服薬支援に要する訪問看護師が認識する情報を明らかにすることである。</p><p>方法 岐阜県訪問看護ステーション連絡協議会に加入する143事業所の訪問看護師 (非常勤含む) に, 無記名自記式質問紙調査を実施し, 59か所の事業所の180人から回答を得た (回収率56.6%)。調査内容は個人属性, 事業所属性, 一般的な後期高齢者の服薬に対する情報の認識40項目である。分析は単純集計, 及び項目分析として天井効果・床効果, 相関係数を確認した上で, 固有値が1以上のガットマン・カイザー基準に基づく因子分析 (重みなし最小二乗法・プロマックス回転) により, 訪問看護師が認識する情報を検討した。</p><p>結果 有効回答177人分を分析対象とした (有効回答率98.3%)。調査対象者の性別は「女性」が97.2%, 平均年齢は48.4±8.2歳であった。訪問看護師の通算経験年数は「1~4年」33.3%, 「5~9年」29.9%であった。服薬指導を行った経験は「あり」が92.1%であった。事業所の概要として, 服薬指導マニュアル, 及び服薬指導に関する研修は「なし」が各々約8割であった。項目分析, 因子分析の結果, 25項目から構成される5因子は全て固有値が1以上で妥当な因子構造であることを確認した。因子は既存のカテゴリーと項目の構成を参考に, 〔後期高齢者の服薬の理解・意向状況〕・〔後期高齢者の服薬の動作・習慣〕・〔後期高齢者の服薬を取り巻くADL・生活状況〕・〔後期高齢者の服薬への主介護者・家族等の支援状況〕・〔後期高齢者の服薬する生活環境〕と命名した。因子間相関はr=. 459~. 645で中程度の正の相関が確認された。Cronbachのα係数は尺度全体で. 947, 各因子では. 765~. 937の値を示し, 内的整合性は担保されていた。</p><p>結論 後期高齢者の在宅療養移行時における服薬支援に要する訪問看護師が認識する情報は, 本研究の仮説設定時における構成とほぼ一致していた。一方, 訪問看護師が後期高齢者の服薬支援の際に意識的に収集していない情報も一部認められた。訪問看護師が認識する情報は『ADL・服薬行動』が最も高く, 『ADL・服薬行動』や『環境』の情報収集をしながら, 同時に『理解・意向』の後期高齢者の服薬管理能力や認知レベル等の情報も収集していた。</p>

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