発達遅滞を契機に両側性網膜芽細胞腫合併の13q欠失症候群と診断された男児

DOI
  • 秋山 政晴
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科 東京慈恵会医科大学附属病院 遺伝診療部
  • 本多 隆也
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科
  • 田中 克侑
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科
  • 権守 千寿瑠
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科
  • 笹本 武明
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科
  • 山岡 正慶
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科
  • 柳澤 隆昭
    東京慈恵会医科大学附属病院 脳神経外科
  • 鈴木 茂伸
    国立がん研究センター中央病院 眼腫瘍科
  • 川目 裕
    東京慈恵会医科大学附属病院 小児科 東京慈恵会医科大学附属病院 遺伝診療部

書誌事項

タイトル別名
  • A boy with 13q deletion syndrome and bilateral retinoblastoma diagnosed owing to poor weight gain and developmental delay

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抄録

<p> 症例は,7カ月健診で体重増加不良と発達遅滞を指摘された8カ月男児.頭部MRI検査で両側眼球内に腫瘍性病変を認めたことと眼底検査の所見から網膜芽細胞腫と診断した.染色体検査で46,XY,del(13)(q14q22),蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)法でRB1領域(13q14)の欠失,さらにmultiplex ligation-dependent probe amplification(MPLA)法でRB1遺伝子エクソン1~エクソン27のヘテロ全欠失を認めた.以上の結果から網膜芽細胞腫を合併した13q欠失症候群と診断した.13q欠失症候群に網膜芽細胞腫を発症した場合,網膜芽細胞腫に対する治療に加えて,発達遅滞の程度に合わせた早期の療育プログラムの提案,将来の二次がん発症のフォロー,両親の遺伝カウンセリングなど多面的なサポートが必要である.</p>

収録刊行物

  • 遺伝性腫瘍

    遺伝性腫瘍 22 (1), 22-25, 2022-08-05

    一般社団法人 日本遺伝性腫瘍学会

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