書誌事項
- タイトル別名
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- The Residents' Awareness of Wildlife Problems in Non-agricultural Areas
- :An Approach Based on the Concept of "Symbiosis"
- -「共生」概念からのアプローチ-
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説明
<p>野生鳥獣問題に関する既存研究の多くは,野生鳥獣による人間への被害をいかに軽減するかという問題意識にもとづくものであるが,農業集落では住民が野生鳥獣の存在を許容する傾向がみられることが報告されている.近年,都市や郊外などの非農業地域においても野生鳥獣問題が顕在化しつつあり,非農業地域の住民が,野生鳥獣問題に対してどのような意識を持つかを明らかにすることは重要である.なぜなら,非農業地域の住民が野生鳥獣問題を契機として,野生鳥獣に対する関わり方のみならず,自然や農業地域との関わり方を見直す可能性があるからである.本研究では,非農業地域における住民の野生鳥獣問題に対する意識構造を明らかにすることを目的とする.人間と野生鳥獣との関係を捉える視点として,「共生」概念を援用する.なぜなら,この概念を用いることで,住民にとって野生鳥獣は「負荷」があるからこそ許容の対象となる(共生の対象となる)という現象を理解できるようになるからである.「負荷」「共生」という概念を組み込んだ分析モデルを構築し,この分析モデルを検証するために,仙台市周辺の郊外地域住民に対して野生鳥獣に対する意識を問う質問紙調査を行った.その結果,野生鳥獣を目撃したことのある人ほど野生鳥獣への許容意識が高い傾向があること,そして,この許容意識の高さが,野生鳥獣との共生という側面の強い被害対策(生息地管理)への評価を高める傾向があることが示された.</p>
収録刊行物
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- 農村経済研究
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農村経済研究 37 (2), 31-40, 2020-02-01
東北農業経済学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390293180217730304
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- ISSN
- 21873933
- 2187297X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- OpenAIRE
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可