幼若ビーグル犬の血液検査値の変動(検討1)出生~離乳時までの生後発達と血液生化学検査値の推移

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  • Variation of blood examination values in juvenile beagles (Study 1)Physical development and blood biochemical changes from the birth to the weaning time

抄録

<p>【目的】小児用医薬品開発において、幼若動物を用いた毒性試験の重要性が増している。幼若動物では母犬の保育状態や、発育分化の状態、環境要因などにより血液検査値の変動も大きいと考えられる。そこで、授乳期間中の幼若ビーグル犬の出生直後から離乳時までの間の血液生化学検査値の変動について調べたので報告する。</p><p>【材料と方法】北山ラベス(株)本郷ファームで生産のTOYOビーグルの母犬4匹から娩出した仔犬について、出生直後、24及び48時間後、1、3、5及び7週齢時に頸静脈から採血し、検査に供した。採血毎の雌雄のデータをまとめて平均値±SDを算出し、その推移を調べた。</p><p>【結果】いずれの母犬も保育状態は良好で、母犬・仔犬ともに一般状態に異常は認められなかった。出生直後の新生児は栄養素と免疫グロブリンが豊富な初乳を摂取し、2週齢までに耳介展開、開眼と外形分化が進んだ。3週齢までは母乳のみを摂取し、3~7週齢の間に乳歯萌出がみられ、飼料の摂取、起立歩行が確認された。血液生化学的検査において、出生直後及び生後24時間では、ALP、ChE、γ- GTP、AST、ALT、LDH、LAP、CK、BUN、CRE、UA、BILは顕著に上昇した。これらは成長に伴い低下し、1週齢以降は低いレベルで推移した。脂質系パラメータのうちTGは生後48時間まで上昇をした後、7週齢時まで次第に低下した。T-CHO、HDL-C、F-CHO及びPLは3週齢時まで上昇した後、低下に転じた。</p><p>【まとめ】出生直後は、脂質系パラメータを除き、多くの酵素活性値及び定量値が顕著に上昇し、生後1週間以降は次第に安定を示した。幼若動物の試験において、この時期の血液基礎データを把握することは、極めて重要であると考えられた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390293191189906048
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-174
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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